建築家選びで失敗しないために。デザインだけで決めてはいけない5つの理由
「建築家に依頼して、自分たちらしい注文住宅を建てたい」
そう考えたとき、最初に悩むのが建築家選びではないでしょうか。
ホームページや建築雑誌などで気に入った住宅を見つけ、その設計者に依頼する。
もちろん、それも一つの方法です。
しかし、住宅業界に27年間携わり、多くの建築家と仕事をしてきた私からすると、完成写真の美しさだけで建築家を選ぶのは、少し危険だと感じています。
今回は、建築家選びで失敗しないために知っておきたい5つのポイントをお話しします。
① デザインが好みでも、暮らし方に合うとは限らない
建築家には、それぞれ得意とするデザインや空間構成があります。
シンプルでミニマルな住宅。
素材感を大切にした住宅。
開放的な空間が特徴の住宅。
どれも魅力的ですが、重要なのは、その建築家の設計が自分たちの暮らし方に合っているかどうかです。
例えば、開放的な空間が好きでも、実際にはプライバシーを重視した暮らしを望んでいるかもしれません。
私は、施主の要望をそのまま図面にするだけでなく、施主自身も気付いていない暮らしの可能性を提案できる建築家が優れていると思っています。
② 美しい住宅を設計できても、予算管理が得意とは限らない
建築家選びで、私が特に重要だと考えているのが予算に対する意識です。
どれほど素晴らしい設計でも、施主の予算で実現できなければ意味がありません。
例えば、予算8,000万円の住宅を設計していたはずが、最終的な工務店の見積では1億円を超えていた。
このようなことが起これば、設計を大幅に変更しなければならなくなります。
もちろん、建築家だけに責任があるとは限りません。
ただ、設計の初期段階から工事費を意識し、必要に応じて施工会社と相談できるかは非常に重要です。
私は、設計と予算管理は切り離して考えるべきではないと思っています。
③ 図面の美しさと、実際の建物の完成度は違う
建築家の仕事は、魅力的なプランやCGをつくることだけではありません。
実際に建物をつくるためには、細部まで検討された図面が必要です。
例えば、壁と天井の取り合い。
サッシまわりの納まり。
照明器具の配置。
空調設備の見せ方。
こうした細かな部分によって、住宅の完成度は大きく変わります。
私は、建築の美しさは、細部の積み重ねによって生まれると考えています。
そのため、建築家を選ぶ際には、完成写真だけでなく、実施設計の精度や施工現場への関わり方も確認したいところです。
④ 工務店との連携がうまくできるか
どれほど優れた建築家でも、一人で住宅を完成させることはできません。
実際に施工するのは工務店であり、現場ではさまざまな調整が発生します。
設計図では成立しているように見えても、実際の施工では別の納まりを検討しなければならない場合もあります。
そんなとき、建築家と工務店が互いの専門性を尊重しながら、より良い方法を考えられるか。
ここが非常に重要です。
設計者の意図を理解し、それを実現できる工務店。
そして、施工上の課題にも柔軟に対応できる建築家。
建築家の設計力と工務店の施工力は、セットで考える必要があると思っています。
⑤ 施主とのコミュニケーション能力も重要
注文住宅の設計には、長い時間がかかります。
その間、施主はさまざまな希望や不安を建築家に伝えることになります。
そこで重要なのがコミュニケーションです。
自分の考えを一方的に押し付けないか。
施主の要望をきちんと理解してくれるか。
専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか。
そして、意見が違ったときにも建設的に話し合えるか。
私は、施主の希望を何でも受け入れる建築家が良いとは思っていません。
ときには、施主の要望に対して別の提案をすることも必要です。
ただし、その理由をきちんと説明し、施主が納得できることが大切です。
建築家と施主は、互いに信頼できる関係であることが理想だと思います。
建築家の知名度だけで選ばない
有名な建築家に依頼すれば、必ず良い住宅ができるのでしょうか。
私は、そうとは限らないと思っています。
著名な建築家にも、それぞれ得意分野や設計思想があります。
一方、知名度はそれほど高くなくても、非常に優れた住宅を設計する建築家も数多くいます。
大切なのは知名度ではなく、自分たちが求める住宅を、その建築家が実現できるかどうかです。
過去の作品だけでなく、設計への考え方や予算感覚、仕事の進め方まで確認することをおすすめします。
株式会社リバースの建築家選び
株式会社リバースでは、施主の希望や暮らし方、予算などを整理したうえで、住宅に適した建築家を選定しています。
私たちが重視するのは、単にデザインが優れているかどうかではありません。
施主との相性。
設計の緻密さ。
予算に対する考え方。
工務店との連携。
こうした要素を含めて総合的に判断します。
さらに、その設計を実現できる工務店を組み合わせ、設計段階から予算を確認しながら家づくりを進めます。
私たちが大切にしているのは、
建築家の設計力 × 工務店の施工力 × 予算管理。
建築家選びは、注文住宅の完成度を大きく左右します。
だからこそ、写真の美しさや知名度だけではなく、設計の中身や仕事の進め方まで理解して選ぶこと。
それが、満足度の高い注文住宅を実現する第一歩だと考えています。